Neo's World

技の方向とは

どの分野の技でも、各技には、「技の方向」というものがあります。例えば片足踏切の技は、左足で踏切るか、右足で踏み切るか。宙返りや回し蹴りの捻りは、左回りに捻るか、右回りに捻るか。Free-Running の技でも、Roll の進入方向や Dismount で身体を回転させる向きなどがあります。

このページでは、これらの「技の方向」を統一しよう、ということをお話していきます。

「技の方向」を統一するとどうなるか。これを説明するには、Tricking や Breakdance での技のコンボを考えてもらえば分かりやすいと思います。

Tricking で、Butterfly-Twist から Gainer Cork へと繋げるコンボはよく見かけますね。この時、Butterfly-Twist と Gainer Cork で、捻る方向が別々だったらどうでしょう…?そう、コンボが出来なくなります。踏切る足も違いますし、普通に考えて、左に回転してる身体を突然右回転にするのは不自然な動きですよね。

こういったコンボが出来なくなるのもありますし、Free-Running でいえば、Turn Vault で障害物に掴まり、Dismount で飛び降りて Landing Roll で着地する流れの時、それぞれの身体を捻る向きが左右バラバラだと、Roll しづらかったりします。コンボした時の「流れ」まで失われてしまいます。

なので、私はこのページで、自分の「技の方向」を統一して、「綺麗なコンボ・流れ」を魅せられるようにするべきだ、ということを解説していきたいと思います。

自分の「利き方向」を知る

まず、自分の「利き方向」を調べましょう。

では、助走をつけて、幅跳びしてみて下さい。100% 本気でなくて良いですが、なるべく遠くに飛ぼうと挑戦してみましょう。

さて、あなたは今の幅跳びで、左右どちらの足で踏切ってジャンプしましたか?もし、やる度に左右がバラバラな人は、どっちが飛びやすいか確認してみて下さい。

ほとんどの人は、どちらかの片足だけで踏切ることが多いでしょう。その「踏切足」で、身体を捻る方向が決まります。

  • 左足で踏切ってジャンプした人は、「左利き」です。捻りの方向は左方向で、ほとんどの技は左足踏切です。

  • 右足で踏切ってジャンプした人は、「右利き」です。捻りの方向は右方向で、ほとんどの技は右足踏切です。

左利き・右利き、という言葉は、ここで私が勝手に定義しているものです。

そして、「ほとんどの技は」と書いたのは、一部例外があるからです。片足踏切の宙返り系など、ほとんどの技は踏切足ですが、回し蹴り系の技は、踏切足と逆の足で踏切ります。

なぜかというと、捻りの方向を統一するためです。540 Kick から Butterfly-Twist へのコンボを想像したときに、2つの技の踏切足が同じだとすると、捻りの方向は左右逆になります。ということは、コンボが出来なくなります。

540 Kick は右足で踏切って左回転し、右足 → 左足と着地すれば、その左足で Butterfly-Twist へと移行出来るわけです。踏切足よりも捻りの方向を優先して考えましょう。

捻る方向の例外があって、Breakdance のパワームーブ系の技は、「利き方向」と逆に身体を回します。ちゃんと理由・理屈があるので、後ほど詳しく解説します。

以降は、各技の方向を詳しく解説していきます。解説は、「左利き」で紹介しているので、右利きだった人は、解説の「左」と「右」を逆に考えて読んで下さい。

Free-Running 系の技

Free-Running 系の技のページで紹介している技、Vault などは、ほぼ全て左足踏切です。

Palm Spin は、Wall Spin を考えれば方向が決まります。Wall Spin は、側宙と同じ方向に身体を回転させます。そして Palm Spin は、Wall Spin と同じ要領で回ります。つまり左利きの場合は、Palm Spin は左手を軸にして回れば良いわけです。

Turn Vault や Underbar 360 なども、これと同じ要領で回すと良いでしょう。

Reverse Palm Spin や Reverse Wall Spin は、踏切足、進入方向が、ノーマルと同じ方向で出来るようにした方が良いです。「単純にノーマルの逆転再生バージョン」と考えるのではなく、「逆転再生の左右反転バージョン」と考えて、回転方向を統一させましょう。

Roll は、左利きの場合、左半身に頭が入り込むように回りましょう。回りきったときの着地が、左足 → 右足となるはずです。これは「回し蹴り系の技」と同じ考えです。

Front Flip 系

「Front Flip 系の技」とは、Hand Spring (ハンドスプリング)、Front Flip (前宙) などを総称しています。

Hand Spring の片足踏切、Front Flip の片足踏切は、左利きの場合は当然、左足踏切です。左利きの場合、どんな技も大抵は、片足着地は右足から先に着地するのが基本です。

One Leg Front Flip 180 Twist (片足踏切の前宙半回転捻り) などの場合、左足踏切で左捻りだと、左右の脚がねじれそうになりますが、これで合ってます。形は少々違いますが、Aerial Twist や Butterfly-Twist と同じだと考えられます。

Front Flip の片足着地から、ロンダートへ繋げる場合などに、右足 → 左足と着地すると、身体がほんの少し、右方向に回転するようになりますが、ここまでは良しとします。

Free-Running で、高所から Front Flip で Drop し、Landing Roll する場合は、ほんの少しだけ (8分の1から4分の1ぐらい) 身体を左へ回転させて着地すると、スムーズに Roll へ移行できるでしょう。これは片足着地とは逆で、回転方向としては正しい方向に身体を回転させています。

時々、変則的に右足で踏切る技もありますが、こういう変則的な技は、利き足と逆の足で踏切るのもアリです。しかし、回転方向だけは左回転に統一させて下さい。

Side Flip 系・Double Leg

「Side Flip 系の技」とは、側転、ロンダート、Side Flip (側宙)、Aerial、Butterfly、Butterfly-Twist あたりの技を総称して呼んでいます。

左利きの場合、側転は左足が進行方向に出た状態で、左手から先に地面に付き、次に右手が付いて、右足から先に着地、という形になります。

変則的に、側転を逆で行うコンボもあります。右手から付いて側転し、左足が先に着地したら、そのまま Gainer へと移行させたりします。この場合の側転は、進入の仕方が少々違います。気持ち的には、「Raiz の手が付いたバージョン」で行うと良いでしょう。

ロンダートからバック宙へ移行するときの、ロンダートの「4分の1捻り」は、実は「利き方向」とは逆ですが、この捻りが逆なのは良しとします。問題ありません。

Side Flip、Aerial、Butterfly、Butterfly-Twist は、側転と同じように左足が先に出て、左足で踏切り、左へ捻ります。

  • Aerial から Back Flip へのコンボの際、ロンダートと同じように捻りの方向が違いますが、これは良しとします。
  • Aerial で、踏切足と同じ足で片足着地する場合も、捻りの方向が逆になりますが、ここまでは良しと考えられます。

変則的な技で、側転で右足が着地したら、左足は地面につけずに、そのまま側宙へ持ち込んだりする技もあります。こういう変則的なものは、踏切足が逆になります。

問題は Double Leg です。これは、側宙とは逆に行います。両足踏切の技ではありますが、進行方向に、右足が先に出ている状態で踏切ります。

これは、Double Leg Twist の捻りの方向を考えれば分かるはずです。左に捻るには、側宙と同じ向きでは出来ないことが分かります。

つい、抱え込む側宙 (男側宙) の要領でやってしまいたくなりますが、「Double Leg は回し蹴り系の技の1つだ」という考えで行いましょう。

Back Flip 系

「Back Flip 系の技」とは、Back Hand Spring (バック転)、Back Flip (バック宙)、Gainer (片足踏切バック宙)、Gainer Cork (片足踏切バック宙1回転捻り) あたりの技を総称しています。

ここまでくればもう分かりますよね。全部の技を通して、片足での踏切足は左、捻る方向は左。片足着地の際は右足から先に着地です。

Back Flip 片足着地から Gainer へ繋げたいときは、右足から着地ではなく、例外的に左足から着地し、そのまま Gainer に持ち込むのもありでしょう。

Gainer も変則的に、側転で右足が付いたら、左足を地面に付けずに Gainer に持ち込む技があります。変則的な技では、踏切足は逆になっても、捻る方向は左回転で統一させましょう。

Wall Flip 系

壁を蹴って宙返りする技全般です。何歩壁を蹴ったとしても、最後に壁を蹴る足を、利き足にしましょう。これが逆だと、Wall Flip 360 Twist で足がねじれたり、Wall Inward Side Flip で技が「利き方向」と逆になってしまいます。

Wall Inward Front Flip 180 Twist では、利き方向と逆に捻った方が楽だったりしますが、利き方向で捻ってこの技を成功させている人もいます。技がかなり高度なので、「ここだけは利き方向と逆でも良いかなぁ…」と考えるのもアリかな、と思ったりします…。

Wall Arabian などは、捻りの方向を統一するために踏切る足を逆にしても良いですが、踏切足を優先させて、回転方向が逆だとしても、まぁ良いのではないでしょうか。

壁を使った技の一部は、回転方向の統一を優先させて踏切る足を逆にするか、回転方向は逆でも踏切りやすい踏切足を利用するか、迷う所です (理想は踏切足で利き方向ですがw)。

回し蹴り系

回し蹴り系の技は、今までの技と違って、踏切足とは反対の足で踏切ります。身体の回転方向は左に統一されていることを確認して下さい。

Double Leg や Raiz、Lazy Boy といった技も、回し蹴り系と同じ要領で行いましょう。

変則的に左足で踏切る技は、そのまま踏切りましょう。

Breakdance のパワームーブ系

パワームーブ系の技は、例外的に捻る方向が「利き方向」と逆です。そのわけは、着地したときに回転方向が左回転に戻ること、トーマスから Gainer へ移行しやすいことです。

1つ目の「着地したときに回転方向が左回転に戻る」を解説します。

例えば、ウィンドミルを、右回転で行っていると想像して下さい。もしくは、同じ回転方向で、ヘッドスピンやエアートラックスで想像しても構いません。回転してる状態から足をついて、体勢を元に戻したとき、左右どっち方向に身体が回転する勢いがついているでしょうか?

ウィンドミルで右回転しているところから着地しようとすると、左足 → 右足の順番で地面に付きます。そうすると、身体の回転方向が左回転に変わるわけです。左回転の勢いの状態で着地すれば、そのまま他の技に移行しやすいですよね。

「トーマスから Gainer へ移行しやすい」というのも同じように、右回転でトーマスを行っている最中に左足を付くと、右足を遠心力で振り回したとき、左回転の勢いに変わります。このまま Gainer に持ち込めれば、回転方向が統一出来てますよね (Anis Cheurfa は実際にこのコンボをよくやります)。

トーマス以外にも、Max や 1990 などもそうです。Max の場合、左手でフリーズし、左足から着地するようにすれば、Gainer への移行がし易く、回転方向も左回転になります。1990 は右足で踏切、右手を付いてから左手へ移行します。

特殊なコンボ

踏切足が違うからこそ出来る、特殊なコンボもいくつかあります。

  • 逆方向の側転で、先に付いた左足だけで Gainer へ持ち込む (Crazy Asian などが実際にやってる)
  • 逆方向の 540 Kick で、先に付いた左足だけで Front Flip や Aerial に持ち込む (Manny Brown がやってる)
  • 左右交互に Butterfly-Twist を行う

自分が実際には出来ない技でも、「こんなコンボは出来ないかなぁ…」と想像するのも面白いです。

よくあるパターン

YouTube などで動画を見ていて、「一部の技だけが逆方向になっている人」というのをよく見かけます。それらのよくあるパターンをまとめました。そのパターンに当てはまる有名な人も紹介しています。

Front Flip 系・Side Flip 系だけが逆

基本的には左利きなのに、Front Flip 系と Side Flip 系の技だけが右方向、という人が結構います。ロンダートの4分の1捻りは左方向になるため、実は「完璧に左回転に統一」出来てるのかも知れません。が、やっぱりコンボしづらいです…。

  • Ryan Doyle - 基本左利き。Airborn 所属だが、3Run Family。Wall Gainer も踏切足が逆。
  • Crazy Asian - 基本左利き。Team FS 所属。

Front Flip だけが逆の人や、Front Flip 系・Side Flip 系の踏切足は合ってるけど回転方向が逆、という人もいます。

Gainer 系だけが逆

基本的には左利きで、Back Flip Twist も左捻りなのに、Gainer や Gainer Cork だけが右方向、というのもよくあります。

  • Johannes L - 基本右利き。Gainer と 540 Kick が左方向なのが分かる。
  • Nathan Barris - 基本左利き。3Run 所属。別名 Safe-T。Gainer の映像自体が少ないが、よく見ると右回転。Reverse Wall Spin も右回転。

Gainer は右方向だけど Gainer Cork は左方向で正しいです、という人もいます。

  • Jack Keylock - 基本左利き。R4N というチームを組んでいた。Gainer のみ右回転で Gainer Cork は左。
  • No Limit - 基本左利き。Team Unity 所属。Gainer のみ右回転で Gainer Cork は左。右方向で、Double Leg か Side Flip か微妙な Flip をするのも多い。
Wall Flip 系が逆

Wall Flip 系の踏切る足が逆の人はかなり多いです。最後に壁を蹴る足が、Gainer と同じ「踏切足」です。

  • David - 基本左利き。TD Monkeys 所属。Wall Flip 系は右足で踏切っている。Front Flip も右足で踏切っている。
  • Johnny Last - 基本左利き。Oxtricks 所属。Wall Inward Front Flip も右足で踏切ってる。1つ1つの技は凄く綺麗。

ほぼ完璧に、技の方向が統一されている人を紹介します。方向が統一されている人の動きの流れは綺麗ですね。

  • Chase Armitage と Daniel Ilabaca - Chase は左利きで、3Run 所属。Daniel は右利きで、Urban Media 所属だが 3Run Family。Daniel は Wall Inward Side Flip が左方向だが、回転方向が統一されているのでコンボが上手。
  • Anis Cheurfa - 左利き。Breakdance 系の技が右方向な所も完璧。

いくつかの技が、左右両方で出来る人もいます。両利きならではの、独特な技のコンボが見られて面白いです。

  • Saltos Mortais Prof Tijolo - ほぼどんな技も、左右両方で繰り出せる凄い人。どっちが利き方向なのか分からないw (恐らく左?)。
  • Kjer - 基本左利き。StreetTrickz 所属。右方向でも回し蹴り系の技が繰り出せる。
  • Manny Brown - Flip 系の踏切足から右利きとしたが、左回転の技が多い。左右交互の Aerial や Butterfly-Twist がカッコイイ。